(亀井代表・田中代表) 原発事故の検証と、政策全般のグランドデザインを 郵政法案:仏の顔も三度
平成23年5月25日 亀井代表・田中代表定例記者会見
原発事故の検証と、政策全般のグランドデザインを
「郵政法案」 仏の顔も三度
亀井代表・田中代表(新党日本)
本年、第十七回目の「国民新党・新党日本」の議員総会において、亀井静香・国民新党代表と、田中康夫・新党日本代表が、総会冒頭の頭撮りで、菅総理と与野党の対応、原発事故後のエネルギー政策等、及び郵政特別委員会の現状について語り、(1)また、議員総会後の記者会見で、記者団の質問に答えました。(2)
■■■(1)議員総会冒頭の頭撮り■■■
|サミットで、リーダー国の存在感を示せ
亀井代表:昨日、総理がサミットに出発をされて、臨まれるわけでありますが、今、日本は、中・韓・ロシアという近隣諸国から国境線について、極めてそれを無視されるような扱いを受けている。そういう中でのサミット出席でありますけども、是非総理はこの機会に、世界のリーダー国の一つとしての存在感を示す、そうしたことをきちっとやって来ていただきたいと思います。一つは、やはり経済政策について、日本がグローバルな立場で世界経済を、やはり日本が責任をもって引っ張っていくという、そうした一つの方針をそういう場において発信をされ、明示をされる必要があると私は思っております。
|復興のグランドデザインを
亀井代表:もう一つは、東日本大震災またそれに伴っての原発事故、世界が大変注目をしておるわけですので、これについて、もう二カ月も経っているわけですから、明確なグランドデザインをこうやるんだということをサミットの前においても、私は明示をしていただきたいと、このように思います。地震・津波の被害に対する被災者に対する当面の対策、また将来についての生活設計、地域の再建、それに伴う日本経済に対して、これをむしろプラスのテコに使って行くぐらいの気概で、今後の復興に対応していく。もう二ヶ月経っているわけですから、これについてグランドデザインができ上がらない、なんていうことはやはり政治の責任をきっちり果しておることにはなっていかないと思います。
|乱れた与野党、後世から指弾を受ける
亀井代表:私も阪神淡路大震災の時に、村山内閣の一員として、あの震災の当面の対策復興等に係わり合いを持った者でありますけども、当時は日本中が一枚岩になって対応しておったと、当時を振り返ってもそのように思います。今、残念ながら政治自体が、そういう面では与野党はもちろん、与党の中においてさえ、乱れに乱れておるような、そんなみっともない状況が、阪神淡路大震災を超える開闢以来の未曾有の震災にあたって、政治がそういう状況にあるということは、後世必ず指弾を受けると私は思います。我々国民新党もまたそれから逃れるわけにはいかないと思います。
|原子力政策のグランドデザイン
亀井代表:それと、原発に対する対策でありますけども、これは松下副大臣が、政府の中において本当に大変な努力をしていただいておるわけでありますけれども、やはり基本は、今後の日本の原子力政策をどうするのか、これについての、グランドデザインをきっちりと、描かなければならないと思います。それについて重要な役割を果たしていく、でたらめ委員長が今なお居座ると発言しているわけですけども、総理に私はサミットに発たれる直前に、電話で申し上げました。「直ちに更迭すべきだ」と。総理は切るべきものはすぱっと切り、切ってはならない人たちの協力は徹底的に求めるという、その逆をやっておると思われては、政治は前に進んで行かないわけですから。
|福島原発の検証と大胆な対策
亀井代表:こうした意味で、原子力行政について、体制をきっちりと確立をしながら、そうして対応していく。その中で、私は浜岡原発停止をされた時に、事前に相談があったわけではありませんが、総理に申し上げたのは、「この処置はいいけれども、福島原発の事故についての総括をきちっとおやりになっているんですか」と。津波によってすべて起きたことなのか、或いは地震そのものによっても原子炉が毀損され、破壊されたということが原因になっていることがあるのかないのか、この点を明確にされないと、防潮堤ができ上がるまで浜岡原発を停止をするということでは、原子力政策を推進していく立場においてこれでは不十分ですよ、やはりそれを明確にされるべきだということを、あの時に申し上げた。 私はこの記者会見でも、その後、そのことも申し上げましたけども、いま徐々に明らかになって来ているのは、原子炉自体の耐震性を含めて、そうした地震そのものについての、どの程度の耐震性があるかということが、非常に私は問題視されてくる可能性が、今の福島原発の状況を見ておるとあるのではないかと思います。やはり、津波は、襲ってくる可能性があるところとないところと大きく差があるでしょうけども、地震については、阪神淡路大震災は予測されなかったところに、ほとんど予測されなかったところで、あれだけ大規模な震災が起きておるわけですから、全国の原発、これが耐震性において大丈夫かどうかということは、福島原発を厳格に検証して思い切った対策を講ずるということが、私は政治の責任であろうと、このように思っておるわけであります。このことも私は総理にかねがね強く申し上げておることでありますが、今なお残念ながら、我が国のそうした福島原発についての検証作業自体が、着々と冷静に進んで行っておるとは必ずしも思えない状況もあると思います。
|原発の地震に対する万全な体制
亀井代表:地震はいつ起こるかわかりません。現在も余震なのか、余震でないのかという、相当な震度4・5の地震が起こっておるわけですから、こういうことはやはり早急に対処すべきことであって、そんなに悠長に時間をかけることではないと、このことについては東電自体がやはり当事者ですから、きっちりとそういうことについて、当時の状況について、明確に資料その他を出して、耐震性に問題があったかのかどうかを、東電自身が率直に検討すべき。また、それを東電任せにするのではなくて、政府自身が、保安院もあるわけですから、また原子力委員会等も含めてそういう機関もあるわけでありますから、そういうところがきっちりとそれをやって、いつ起きるかわからない地震に対して、全国の原発を、万全な体制を取る必要があると思います。原発を今すぐ廃止するということができないわけですから、そうであれば、耐震性をどうするかという、あとう限りの技術を駆使してやる、やらせるというのが私は政治の仕事だろうと、このように思います。
|財務省の洗脳、あらゆるところに
亀井代表:また、さっき言いましたけども、震災対策等復興等について、財源問題・国家財政について、財源問題が新聞等でいろいろ飛び交っておりますけども、こういう事態に平時のごとき言説が飛び交っておるということはとんでもない話でありまして、財務省の洗脳度合いがいかに言論機関も含めて、あらゆるところに浸透しておるかということであります。そういう迷妄から一日も早く覚めて、国家百年の計に立った、思い切った対策を復興対策また経済全体について、これをやっていく必要があると思いますので、国民新党はそういうことについても、皆さん方非常に努力をしておられるわけでありますけども、是非そういうことで今後とも頑張っていただきたいと思います。
|郵政法案、仏の顔も三度
亀井代表:あと郵政改革法案については、後ほど、下地幹事長から議員総会で報告があると思いますが、これについてどうしても、今国会で成立させるということで、各党に対しての折衝を必死になってやっておりますので、皆様方もできる限りの対応をお願いします。どうしてもこれは成立をさせる。仏の顔も三度と言いますけども、どんなことがあっても、これはやるということで、皆様方も、心を引き締めてあたっていただきたいと思います。
|津波の前に止まった電力供給
田中代表:今のエネルギーの問題に関しての亀井代表のご見解に全面的に同意をしたうえで、今お話があった点でいうと、津波が来る前にその福島第一発電所の敷地内の送電線の鉄塔が倒れて、それによって電力の供給がままならない状況になったということが、河野太郎さんも吉井英勝さんもおっしゃっていることであります。ましてや、第一発電所の敷地での、おそらくその地震の震度というものは想定内であったということも報じられているわけですから、とするならば、津波というものの原因の前に起きたことは何であったのか。一台である発電車というものが、水をかぶるということにおいて、クリティカルな状況が起きていたとするならば、この点においてきちんと検証をしなければいけないと思います。
|放射能に占領された国土、救出・救援の工程表を
田中代表:先週の会見の際にも申し上げたことですが、やはり今までの航空事故とか列車事故と違って、今回のものというのは、放射能というものが範囲も濃度も蓄積の度合いも変幻自在なものだと。ですから、一定の時間、一定の場所、一定の被害者と言いますか、関係者というものにとどまらない。まさに陸上だけじゃなくて、海上だけでなくて、海中、あるいは地中というところに、連続拡大し続けるという厄介なものだということだと思います。ですから社会的にも、地理的にも、時間的にも今までの災害と違うという点では、やはり私たちは被災者に対しての仮設住宅も含めてのロジスティックス、兵站の工程表を示すと同時に、私はやはり放射能に汚染されたのではなくして、放射能に占領された国土だと思います。その国土におられる方々が疎開をするということを、私は、現在の政府の指示の範囲だけではなく、20キロ30キロの所をどうするのかということに関してもきちんとした工程表を示す。そして、亀井代表がおっしゃっているように、ダム湖の下に沈んだ家と同じように、その間意欲を持たせるような衣食住としての職業や住まいをどのように持たせるか、そしてまた、客観的な風評被害でない数値のよって、基準値まで下がった場合にはどうするのか。その工程表が示されていないということは、我々が与党の一角として、各閣僚でお入りになっている方もおられますが、国民新党・新党日本としても、具体的に行わなければならないことだと思います。
|日本再生、国内外に明確な発信を
田中代表:18日ウォール・ストリート・ジャーナルが社説で、「日本は、東京電力というハコを守るための指針のもとで非常に律儀な社会主義へと陥っている」と書いているわけです。ウォール・ストリート・ジャーナルですから、日本の経済よりも自分たち自国の経済にとってプラス・マイナスという観点から書くという点は差し引いて冷徹に捉えるとしても、より市場経済主義、---今まで私たちは新自由主義の経済主義とは一線を画しているわけですが---、より市場原理主義経済であるならば、今の方策ではないんじゃないかということをウォール・ストリート・ジャーナルは書いているわけです。そうすると私たちは放射能によっては、世界の加害国になっていますから、先日予算委員会でも申し上げたような、きちんとフェアーで、オープンで、シンプルで理に適ったロジカルな、私たちのエネルギー政策や、被災地・被爆地の再生ということをきちんと示す、そのことが大事であろうと思います。それは、今回の特別委員会等でも、今後、下地幹事長や亀井政調会長をはじめとする方々のご協力を得て、より建設的な方向が出るようにと願っております。
■■■(2)議員総会後の記者会見■■■
|自民党は、五十日間、名簿を出さず
亀井代表:何か質問でもあれば、さっき私は総会の前の記者会見で話しましたから。
記者:郵政改革法案について、先程各党と折衝してこの状況を打開しようとおっしゃいましたけども、もう少し詳しく教えていただけますか。
亀井代表:まあ、とにかく、自民党が議会制民主主義を標榜しておりながら、縁もゆかりもないね。でも、もう四十日も過ぎちゃったでしょ、五十日になるんじゃないかな。本会議で特別委員会の設置が決められてから、名簿も出さない状況が続いているでしょう。法案に反対なら反対と言えばいいだけの話。審議の中で、審議すらしないで平然とやっている。また誰もそれを批判しない。そうでしょ。マスコミの方々が沢山いらっしゃいますが、そういうことを批判すらしない。朝日も、毎日も、どこもそうだ。
|野党は、政府と建設的な話し合いを
記者:冒頭のご挨拶の中で、今のように、与野党が乱れに乱れていたら指弾されるとおっしゃいましたが、復興実施本部構想が中々できないとなった中で、では実際にどうやって、具体的に一枚岩となってやるかお考えがあれば、野党側は不信任案も提出するような話もあり、難しいように思いますが、そのあたりをどのように思いますか。
亀井代表:今は、やはり一番大きな問題は、野党が復興をどうしようという、自分が野党なんだから、自分たちの力だけでやれないんだから、政府をしてやらせなければいけないわけですが、その政府にやらせるということよりも、政府を倒す方向に、不信任案に力が入っている面があるでしょ。だからそれを変えない限りは、復興についての、政府との間で、具体的な真剣な協議に入るということになっていないでしょう。だから、私は歴史から指弾を受けると、復興実施本部というような形の中に入って一緒にやるということを拒否したんであれば、ではそうじゃない形でもって建設的な提言をし、政府と話し合いをしていくということを、むしろ自分たちがリードするくらいのことをやなければいけない。積極的にやっていないね。
|不適格な班目委員長、決定的場面で任務放棄
記者:冒頭のご挨拶にもありましたように、班目委員長について、あらためてどういう面で更迭すべきだと思いますか。
亀井代表:それは、ただ原子力に関する、なんか審議会みたいな平場のところで選ばれ、いろいろと意見をおっしゃるならば結構かもしれないが、右にするか左にするかというまさに決定的な場面において、最高権者の総理に対して、ああいう「可能性がゼロではない」というような進言をすべきではないですね。これは任務放棄です。そういうことを何の恥じらいもなく、堂々と言っておられるでしょう。そう言ったんだと、嘘か本当か知らないけども。 不適格。そういう意味では、原子力委員長は、的確な人によってなされなければ、日本の原子力行政はきちっとしないということ。不適格。
|小沢さんは、辞めない総理に協力する努力を
記者:民主党内の結束が前提だということを、前からおっしゃっていて、その通りだと思いますが、昨日、小沢さんと渡部さんの合同誕生会があったと言う報道ですが、党内一致に向けての、一つの動きと言っていいのかどうか。もし可能であれば、ご所見をいただきたいと思いますが。
亀井代表:仲良くすることはいいことでしょう。それに尽きる。問題は国家の危機において、政権与党として、どうするかということについて真摯に党員が協力をするということは大事なことだと思います。だから私は、小沢さんを座敷牢から出せと言っている。そういうことも含めて、座敷牢から出た小沢さんは、谷垣を総理のかばんみたいなことを言っているかわかりませんが、そういうことではなくて、本人が辞めない以上は、辞めない総理を、あとう限り、ちゃんとしたことをやらせる努力をする。それが小沢さんの立場でしょうね。
|自民党は、政府とはイヤ、国民新党ともイヤ
記者:不信任の動きについていろんな発言がありますが、問責が出るという発言も出ていますが、自民党の役員会で。
亀井代表:自民党に行って聞いてくれ。問責については、通るか通らないかわからないけども今そんなことを、言っている時じゃないでしょう。平時じゃないんだから、自民党としても、被災者対策、将来原発に対する原子力行政全体も含めて、ちゃんとした提言をしているの。全然していないでしょ。ぐちゃぐちゃしたことは言っているけど、していないでしょう。政府と一緒にやるのはイヤだ、国民新党と一緒にやるのもイヤだと、自分たちとしてはこう考えているということが出ていないでしょ。復興基本法なるものを出しているけども、あれは対策の中身じゃないよ。
田中代表:亀井さんのおっしゃっていることはステータスゴーということじゃなくて、出すのは自由、出すのは権利かもしれないけども、その後の義務はどうなっているということ、それではゆかい犯ということです。その後どういう体制に、どういう国にするのかも大事なのに、と思いますね。
|何もせず、不信任・問責では、歴史の審判
亀井代表:かつて私は四十年近く(自民党に)おったところですけども、党本部の講堂に椅子を積み上げて立ち入りできないようにして、ハマコーがやって来て、「お前ら何をするんだ」と言って、こっちがせっかく積み上げたことを、そんなことまでやったんだよ、党内抗争。熾烈な闘争をやりましたよ。党内であったって、やったって構わないし、岡田幹事長に首を絞められたこともある。あの当時は元気があったよ。あれぐらい元気でやれと言っているんだ。石の地蔵さんのように、黙っているんじゃないよと言っている。それはやってもいいんだ。やってもいいんだけども、こんな未曾有の大震災で何ら青写真ができていないでしょう。グランドデザインも。そういう状況に対して、何を今やるかということについて取り組まないで、やれ不信任だ、問責だなんて言っていていいの。 絶対、私は、歴史の審判を受けると思うよ、今の自民党は。
|三権の長が、総理に辞めろとは
記者:先週、西岡議長が会見等で、総理のどこが悪いんですか、全部悪いから、辞めてくださいとおっしゃっています。いわゆる三権の長、立法の長が行政の長をそのように批判されると言うことについて代表はどのように思いますか。
亀井代表:言論の自由ですから、好きなことを言っても。しかし、三権の長が、一方の長に対して辞めろということは重いですよ。では、あとどうするのかという青写真を含めて、見通しのない発言をしちゃいけませんよ。評論家じゃないから。
|脱原発の前に、原発・耐震構造の補強を
記者:原子力発電のことに関して、震災を機として、再建のテコにすべきだとおっしゃられたんですけども、こうも反原発で「原発を止めろ、止めろ」ということであればエネルギー不足で今後、厳しくなると思いますが、原発も十分な対策、反省もあると思いますが、対策をしたうえである程度稼働していかなければいけないと思いますが。
亀井代表:原発に変わる、今、エネルギーが直ちに実業化できると思いませんね。風力とか太陽光とか、いろいろあるけども、しかし将来的にはやはりエネルギー源というのはやはり安全なものに、指向していくのは当たり前のこと。しかし、原子力から大転換することは難しい。そうであれば、安全性を徹底的に確保していくということ。だからさっき、福島原発の原因、事故の原因は何だったのかと、津波のせいだけにしておいていいのか。耐震性そのものに問題があったのかないのか。あったとすれば、震度どれぐらいのことを想定していてだめだったのか。そういうことを含めて、ある程度強い地震にも備えられるような、全国の原発の耐震構造を補強せねばいけませんね。そういうことをやって行くことが大事なんです。今一挙に原発を止めなんてことは、それはできないでしょう。
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