(中島国対委員長代理) 「低炭素型街づくり」促進の施策は 建物の長寿化=技術=雇用で、低炭素・循環型街づくり
平成24年2月20日 中島国対委員長代理 予算委員会
「低炭素型街づくり」促進の施策は
建物の長寿化=技術=雇用で、低炭素・循環型街づくり
20日の衆議院予算委員会の一般質疑において、10時30分、「国民新党・新党日本」会派から中島国対委員長代理が質問に立ちました。
|ゼロエネ住宅普及向け予算23億円の目標は
中井委員長:次に、中島正純君。
中島(正)委員:国民新党の中島正純でございます。きょうは、前田大臣に、低炭素まちづくりについてお伺いしたいと思っております。今後、日本全体として低炭素社会をつくり上げるためには、産業部門や運輸部門などを含め、さまざまな分野でエネルギーの消費を抑え、二酸化炭素の排出を抑制していくことが重要だと考えております。個々の住宅についても例外ではなく、これからは、エネルギー消費を極力抑えられるような省エネ型住宅の住まいにするだけではなく、太陽光発電などを取り入れて、全体としてほとんどエネルギーを消費しない住み方ができるような住宅に変えていく必要があります。このようないわゆるゼロエネルギー住宅の普及に向けて、政府は今回、二十四年度予算に二十三億一千万円の予算をつけておられます。どのような目標を掲げて、どのような施策を実施しようとしておられるのか、お考えをお聞かせください。
|前田大臣:住宅エコポイントの再導入を
前田大臣:中島議員にお答えいたします。議員が非常にこの面で取り組んでおられることを承知しておりまして、心強く思っている次第でございます。大きく、エネルギーの消費分野というのが三つに分かれる。これは炭酸ガスの排出量においても三分野、こう言われておりますが、産業分野、そして運輸交通、それから住宅、建築、都市、まちづくり関係ですね。ドイツの国土交通大臣がこう言われていましたね。自分はドイツではエネルギー消費大臣、こう言うんだと。というのは、確かに、この三分野のうちの二分野までが国土交通関係なんですね。現実に調べてみますと、日本も、エネルギーの消費量でいうと、運輸交通あるいは住宅都市関係で、民生で五六、七%になっています。当然、炭酸ガスの排出量もそういったことでありますから、エネルギー問題の厳しい中でこの分野の省エネというのが一番重要でありますが、平成二十二年にも閣議決定をして、二〇二〇年までにゼロエネルギー化、特に公共建物のゼロエネルギー化、二〇三〇年までに既存のものもゼロエネルギー化という方針を出してはいるんですが、なかなか国民一般の理解がそこまで当時はいっていなかったと思うんです。三・一一の東日本大震災以降、今までのような住み方、都市のあり方、あるいはエネルギーの消費のあり方では日本の将来がないということを国民の皆さんが意識をされるようになって、この政策も大きく支持されるようになってきたと思うんですね。そこで、議員が御指摘のような政策、例えば、まだ制度がしっかりとつくられていないものですから住宅のエコポイント程度になっていますが、去年の七月の末で終了したのを補正予算も含めて今、再度導入をしておりまして、住宅の省エネ改修をやった場合、既存の住宅であっても三十万ポイントつけるといったような政策を取り入れております。また、御質問に答えて申し上げたいと思うんですが、制度設計を今盛んに詰めてやっているところでございます。
|住宅と住み方に関する施策は
中島(正)委員:新築の住宅については、このようなゼロエネルギー住宅というのは、これから建てるわけですから、そういう設備をつけて建てるというのは可能であって当然のことだと思うんですけれども、ただ、日本に今五千万戸あると言われている既存の住宅、これの省エネ化を進めなければ効果は少ないのではないかというふうに思っております。また、建物、いわゆるハード面に取り組むだけではなく、例えば電気をつけっ放しであるとか、もしくはお湯を流しっ放しであるとかの無駄を省いて節電や節約に取り組む、いわゆる住み方、このソフト面についても対策を進めていく必要があるのではないでしょうか。そうした住宅と住み方に関する施策全体についてどのように進めていかれるのか、お考えをお伺いさせてください。
|前田大臣:今国会に低炭素街づくり法案を用意
前田大臣:二点あるかなと思うんです。一つは、今の、新築だけではなしに、既存の住宅であったり既存のビルであったり、確かにそのとおりでございまして、新築住宅、このごろ大体八十万戸前後ですね。一方、既存の住宅は五千万戸を超えております。家族数が約五千万近いわけですから、家族数から見ると住宅は十分にサチュレートしているわけですけれども、その既存の住宅に対する省エネというようなことについては、一言で言えば、余り政策的には今まで対象にされていなかったと言っても過言ではない。そこをしっかりやらなければ、五千万戸以上あって、毎年八十万戸の新築だけでは、これはとてもとても全体としては間に合わないわけですから。しかし、その既存の住宅の省エネ改修というものに対して、どういうような支援の仕方があるか。先ほど申し上げたエコポイントなんかの導入はいたしましたけれども、大体、既存の住宅のリフォーム改修なんというのは、金融面からも相手にしてくれません。それは、平均すると二十五年たつと日本の住宅は産業廃棄物になるというような構造があります。したがって、この既存の住宅の寿命を長寿命化するということが政策の一つの柱になっておりまして、そのためには、耐震もやらなきゃいかぬ、断熱もやらなきゃいかぬ、そして金融面での施策ということもやっていかなければならない。直ちにというわけにはなかなかいかない、総合的な施策になるかと思います。どういうふうに判定をするのか。省エネリフォームをやったときに、どの程度の省エネだとどの程度の効果があって、したがって評価としてどういうような支援策があるか。目標にしておりますのは、住宅のエネルギー性能というものをきちっと表示できるようにしていきたいと思っているんですね。ドイツなんかでは、エネルギーパスというようなことで、一目見れば誰でも、ああ、これだけこの住宅のエネルギー性能、住宅面積平米当たりのエネルギーの消費量で表示いたしますから、電気代がどれだけ安くなるというようなこともわかる制度になっています。そういったところを目標にしながらやります。もう一方で、御指摘のように、集合としての町、これも全体としての省エネ、そして安心、安全なまちづくりにしていかなければなりません。そういった意味で、今国会に低炭素まちづくり法案というものを今用意しておりまして、ぜひこの法案の御審議等を通じて政策をしっかりしたものにしていただきたいな、このように思っている次第であります。
|低炭素型街づくり促進の施策は
中島(正)委員:ありがとうございます。私も、ゼロエネルギー住宅というのは大変すばらしいものだと思っておりまして、早期に進めていかなければならないことだと思っているんですが、一方で、ちょっと懸念の声も聞こえてきておりまして、いわゆる昔ながらの大工さんの建てる伝統的な和風の建物、こういうところで大工さんからは懸念の声が出ているという話もちょっと聞きます。ですから、新と旧が共存していけるような何かお考えをまた新たに打ち立てていただきたいなというふうに思います。
続きまして、今ちょっと回答をいただいたんですけれども、低炭素のまちづくりについてお伺いしたいと思うんです。住宅とともに多くの企業や工場が立地して、自動車交通量も多い我が国の大都市では、都市全体として低炭素型のまちづくりを進めていく必要があると思います。ただ、都市全体を低炭素型に変えていくためには、今後新たに立地する個々の施設を低炭素型にするだけでなく、既存の複数の施設をコンパクトに集約していくことが大切だと思います。また、交通についても、自動車に頼らず都市内を移動できるような総合的な取り組みが重要であります。こうした低炭素型のまちづくりを促進するために、政府においてはどのような施策を実施しようと思っておられるのか、お考えをお聞かせください。
|大臣:木造を振興すればCO2削減に役立つ
前田大臣:まず、伝統的な木造住宅のお話がありました。日本の住宅というのは、ほとんどがそういう木造住宅なんですね。したがって、この木造住宅をどうするか。しかし、考えようによれば、木造ですからカーボンニュートラルで、CO2排出については、むしろ、木造を大いに振興すればするほどCO2削減には役に立つというところがあります。それから、最近のいろいろな技術を用いて、木造であってもかなりの断熱ができるようになってきております。考えようによれば、私どもが子供のときには、木造の家で火鉢を囲んで木炭で冬は暖をとっていたわけですから、まさしくゼロエネルギーだったんですね。夏は、木造ですから風通しはいいですから、蚊帳をつってというようなことで。余りにそういう文化が長かったから、住宅については、あえて省エネだ、断熱だと言わなくともというようなことで来ていた面もあったかもわかりません。ということで、木造住宅についても、何も全て断熱でなくてもいいはずです、木造である限り。これが、例えば、開口部でほとんどのエネルギーの出入りがありますから、窓を二重ガラスにして輻射熱を遮蔽するようなコーティングを塗るだけで平均すると五割近く断熱になる、こういうんですね。本当にそうなっているか。国会のこの建物の窓ガラスだって、ペアガラスになっているかどうかちょっと疑問ですね。そのぐらい、実は、言われている割には進んでいない分野であります。
|大臣:建物改築でCO2削減80%の結果も
前田大臣:それから二番目の、町全体の断熱、省エネというお話がありました。もちろん、こうやって法案を用意はしているんですが、これも、日本の場合に、四、五十年たったビルを撤去して新たにつくる、要するに産業廃棄物にしてしまうわけですね。しかし、先見的な試みをしていただいている建築家等も各地におられまして、そういう中で、実際に、撤去しないで、例えば阪神・淡路大震災のときに、建築関係の指導主事からこれは撤去と言われたのを、よく調べた上で躯体を補強して、そして新たに町中のシンボリックな建物として再生したといったようなケースも出て、今やそこは一つのにぎわいの拠点になっているというんですね。そういった改築の仕方というもののエネルギー量あるいは炭酸ガス排出量を計算してみると、やはり既存の建物をうまく生かして改築し直すと、炭酸ガスの削減量でいうと、新築に比べると八〇%ぐらい炭酸ガスの排出量が低下したというような結果も出ております。
|建物の長寿化=技術=雇用で、低炭素・循環型街づくり
前田大臣:したがって、委員がおっしゃるように、むしろ今あるものをいかに長寿命化するか。そうすると、その技術というのは地域における工務店であったり大工さんであったり設計士であったりしますから、むしろその方が、地域の雇用を継続させ、低炭素・循環型のまちづくりを続けることによって継続的に地域の雇用が、あらゆる雇用が出てくる、地域の経済も持続する、こういうふうに一石何鳥かになるか、このように思います。
|CO2削減に公共交通が有効だが、人口減少の中で
中島(正)委員:それでは、大臣、済みません、四番目と五番目の質問を飛ばしまして、最後の質問、公共交通の利用促進についてお伺いさせていただきます。都市内の自動車から排出される二酸化炭素の削減のためには、電気自動車などの環境対応車を普及させることが必要だと思います。それとともに、自動車の利用から公共交通の利用に手段を変換していくことが重要だと考えております。しかしながら、人口が減少している地方では、公共交通機関の存続が困難になるなどの問題が生じてきており、バス路線につきましては、毎年約二千キロずつの勢いで路線が減り続けております。また、鉄道におきましても、平成十二年から平成二十一年までの十年間で、距離にして六百五十二・三キロもの路線が減少しております。これは、東京から八戸間の距離と等しい距離であります。また、公共交通機関が減少することは、違った観点からも問題が生じております。それは、少子高齢化の現代におきまして……
中井委員長:中島君、時間が来ていますから、まとめてください。
中島(正)委員:はい、わかりました。済みません。今後、さらに人口減少社会が予測されておりますが、我が国において、政府はどのように公共交通の利用を促進していくつもりなのか、お考えをお聞かせください。
|低炭素街づくり法案の早期成立を願います
中井委員長:いや、答弁はないの。あなたの意見をまとめてください。
中島(正)委員:それでは、この低炭素のまちづくり、本当に前田大臣、思い入れ強く、肝いりの法案だというふうに聞いております。私もすばらしい法案だと思いますので、早期の成立を願っております。きょうはありがとうございました。
中井委員長:これにて中島君の質疑は終了いたしました。
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