
司会 年金保険料を払うときには強制的な義務になっていますが、年金の給付を受ける場合には、もらいにいかないともらえないという問題もあります。そういう制度は根本的に言って……。
谷澤 それは間違っています。法律にはそう書いてあります。申請主義というやつですね。それを逆手にとって、安倍首相も柳沢大臣もいろいろ言っておられますが、法律をよくご存じない。申請主義というのは、年金をもらうときに申請すると書いているだけで、お金を払った立証まで国民がしろとは書いてません。
司会 先ほどの話から、その立証責任の転換というのは、いま谷澤先生が提案されていますが、それは可能なのでしょうか?
谷澤 簡単なことなんです。国民は、いつごろ年金に加入したのか、どこでお金を払っていたか、一応辻褄の合う話をすればそれでいい。あとは社保庁がもらっていないと言わない限り、全部加入者の利益で判断しましょう。だから加入したものとして扱いましょうということです。さきほど亀井代表代行が言われたように、年金というのは、国民からお金を集めますというのも社保庁の責任、それを運用するのも社保庁の責任、支払うのも社保庁の責任なんです。それを払った領収書を持って来いというのはとんでもない間違いです。
司会 行政としては、どういう制度にしていけばいいのでしょう?
谷澤 立証責任を転換してもらって、ややこしいものは加入者の利益を優先して判断し、年金を支払ったらいいと思います。それしか救う方法はないです。
司会 亀井代表代行はいかがでしょう?
亀井静 基礎年金は、税金から支払う。掛け金を払っていない人にも払う。それは仕方がないことです。そういう程度の不公平には目をつぶるべきだ。彼らは生活に困っているわけですから。
司会 亀井幹事長はいかがでしょうか?
亀井久 たまたま、私は日本・ノルウェー友好議連の会長を務めていますが、ノルウェーやスウェーデンなど北欧の国々は福祉の先進国と言われております。国民一人ひとりの租税負担率は高い。しかし、老後安心して暮らせるという政府への信頼感がありますから、その制度を変えろとは言わない。租税負担率は高い。また一方で、貯蓄率は低いけれども、国民は国にお金を貯蓄している感覚があって、それだけ政府との信頼関係が強いわけです。そこはやはり大事なところで、国民が安心して暮らせるようにすることが政治の基本だと思います。その国民と政府の信頼感をどうやって作り出すのか?いまここで、新しい仕組みを構築しておかないといけないと思います。もちろん、年金問題をきちんと解明するのは前提です。そのうえで、新しい仕組みを作っていかないと国民の信頼感は生まれません。
司会 私個人としては、まだ自分の年金を調べていません。とっても不安ですが……。
谷澤 早く調べなあかんですよ。
司会 はい。インターネットで社保庁にアクセスしますと、いまとてもページが重たいですね。調べるためには、ログインとパスワードが必要ですが、それが発行されるまでに2週間以上かかります。5000万件を調べるといってもどうなのかなという思いですね。99年から03年までに時効消滅した年金額が約9万3000件1155億円だといわれます。時効問題についてはいかがでしょうか?
谷澤 私が聞いた限りでは、自民党議員、公明党の議員も、私が言っているように立証責任を転換して国民を助けるのは非常にいいことだと言います。しかし、お金がないというわけです。私に言わせたら、極めて簡単なことです。一般会計が80兆円、特別会計が250兆円、合計330兆円。それのどれと言わずに、政治家主導で頭から一割カットすると、33兆円浮きます。そのうちの10兆円を過去の借金の返済に充てる。さらに10兆円を弱者救済に充て、そのなかに年金の支払いも入るわけですね。残る13兆円を、過疎地から手をつけて共同溝をつくり、ガス管や水道管・電線などを埋め込みます。そうしますと毎年毎年道路を無駄に掘り返していますが、それをやらなくて済みます。それだけでもお金が浮きますから、それを過疎対策にまわせばいいわけです。この共同溝の仕事は、大手ゼネコンではなくて、鹿児島県なら鹿児島県の業者に請け負わせるということにすれば、地方も潤うことになります。私の集会の席では、自民党の議員も公明党の議員も、何の反論もありませんでした。
亀井静 特別会計の中でやれば、そんなにお金はかからない。ただ、それは単年度でやるというのは無理がある。徐々にやるということであれば、目玉が飛び出るほどの金はかからないはずです。
谷澤 とりあえず、2兆円をつくればいいと考えています。
司会 亀井幹事長は、いかがですか?
亀井久 財源の問題は代表代行がおっしゃった通りです。こういう問題は、下手すると、水掛け論のようになりますから、片方は隠そうとする、一方では次から次と新しい事実が出てくる。選挙のために、安倍さんが「何が何でもこれは俺がやるんだ」と言ってみたって、不可能なことをは無理です。1年以内にまたできなかったということになれば、また嘘をついたことになります。さらに問題が拡散するだけです。まずきちんと国民にお詫びすることはお詫びして、どういう仕組みをつくったらいいのか、その財源はどうするのか、そういう具体的な話をしなければならないと思います。
谷澤 私らのような一般の国民からしたら、いまの驕った自民党が参議院選挙で勝ってもらったら困ります。また同じことを口先だけでやる。ですから、国民新党の先生方に頑張ってもらわないと……。
亀井久 頑張ります。
司会 年金の問題でお話を伺ってきましたが、これから国民のみなさまのためにどういうことをしていただけるのか、お伺いしたいと思います。
亀井静 日本に生まれてよかった、日本人に生まれてよかった、と言えるような政治を目指したい。一生懸命働いてきたけれども、家の一軒も持てなかった、生活も苦しい、だれも面倒を見てくれるものもいない、そういう人たちに最低限の生活を保障していく。そういう社会福祉の視点で年金問題にも取り組んでいかなければならない。財源問題も、使うべきところに使い、無駄なところにはお金を回さないというやり方でやればいい。これを機に、年金医療問題を一体的に解決する社会保障制度を確立すべきだ。この点の問題に関しては与党も野党もないと思いますし、早急にこの問題を研究して提案したいと考えています。
司会 幹事長、いかがでしょう。
亀井久 景気はまだまだ回復していないといいますが、日本はGDPで言えば、世界で第二位です。国全体はそれだけ豊かです。しかも、日本は債務国ではなく債権国で、海外にお金を貸している国です。従って他から見ると、日本はすごく豊かだと思われています。ところが、国民の大半が老後に不安を抱いている。これはものすごくおかしな姿です。豊かさというのが、国民一人ひとりの豊かさに結びついてきてはじめて、政治家としての私たちの役割が果たされるのだと考えています。安心して暮らせる国をどのようにして作るのかという、その一番の土台となるのが、社会保障制度で違う。そこがふらふらしているようでは、いくらGDPが大きくても意味がない。
司会 年金問題の大前提に、そうした福祉の問題が横たわっているということですね。谷澤先生、最後に亀井代表代行と亀井幹事長に対して、何か望まれることがあれば一言お願いします。
谷澤 ただ一つです。今度の参議院選挙に勝ってください。自民党を追い落としてください。そうしないと日本はよくならないと思っています。
司会 ありがとうございました。国民新党は、年金問題をはじめとして多くの有識者からの意見や、広く国民の意見を政治に直接反省させるべく取り組んでまいりますので、みなさんのご意見をお寄せください。本日は谷澤先生、亀井代表代行、亀井幹事長、ありがとうございました